産総研 欠端雅之博士によるセミナー

ジルコニアセラミックス上のフェムト秒レーザー誘起周期的表面構造

産業技術総合研究所 電子光技術研究部門 超高速フォトニクスグループ

欠端雅之 博士、屋代英彦 博士

日時: 2015年11月11日(水)15:00~16:00
場所: 京都大学桂キャンパス・化学系講義室A2-307
レーザーを固体表面に集光することで固体表面に波長程度の微細周期構造が形成されることが知られておりLIPSS( Laser-induced Periodic Surface Structure )と呼ばれている。フェムト秒レーザーを用いて金属、半導体、誘電体など各種材料での報告があり、偏光方向への依存性や形成条件が多様である。イットリア安定化ジルコニアセラミックス(YSZ)は、硬く靱性を有する有用な素材であり、機械部材や医療用インプラントとして用いられている。フェムト秒チタンサファイアレーザーを用いてYSZ上へのLIPSS形成を行った結果について報告する。あるフルエンスの範囲で複数パルス照射した場合に偏光方向に対して平行なLIPSSが形成され、その周期は条件により波長から波長の1.4倍程度の値を有していた。従来報告されている形成機構で説明が困難であると考えられる。また応用に向けた材料の特性評価などについてもご紹介する。